個人投資家の大半の方は、日本の証券会社の口座(楽天証券やSBI証券等)で米国株の取引をされていると思います。私もその一人です。
一方、私はFirstradeという米国証券会社の証券口座を保有しており、ポートフォリオの一部の銘柄を当該口座を利用して運用しています。
本稿では、米国の証券口座を利用して投資をすることのメリット・デメリットを私の経験に基づきまとめてみました。
米国株投資に慣れてきて、米国の証券口座の開設も検討してみようかなと考えている方のご参考になればと思います。
米国証券口座を保有している理由
米国証券口座のメリット・デメリットをご紹介する前に、私が米国の証券口座の保有に至った理由について触れておきます。
<理由その1>:米国居住歴があり現地の銀行口座を保有していたから
私は2014年から2017年の間、会社の転勤で米国に居住していました。その際、米国内の銀行に口座(Citiバンク)を開設し、給与口座兼生活口座として使用していました。
帰国時に口座を解約せず、そのまま放置していました。
なお、普通用預金のため利息はほとんど付いてません。
<理由その2>コロナショックで株式市場が暴落したから
帰国後しばらく経ってから、米国株投資も始めましたが、Citiバンクの口座に預けている預金は放置していました。
その後、2022年3月のコロナショックで株式市場が暴落したことをきっかけに、寝かせていたCitiバンク口座のドルを投資に振り向けよう考えました。
以上の2点が米国証券口座の開設理由ですが、米国の銀行口座をたまたま保有していたことが大きいと思います。
思い返すと、米国に住んでいた頃から投資を始めていればなあ、、、と思いました。当時の私は資産形成・投資に関しては、リテラシーが高くなかったので、その検討にすら至りませんでしたが。。。
Firstradeの概要
Firstrade証券は、ニューヨークのフラッシングに本社を置く証券会社兼ブローカーディーラーであり、株式、上場投資信託、オプション、投資信託、債券などの金融資産を取引するための電子取引プラットフォームを提供しています。(Wikipediaより抜粋)
1985年より創業しているので、そこそこの歴史がある企業かと思います。
本稿では、口座の開設方法等の詳細は割愛しますが、手続きに関する概要等を以下に記載します。
<手続き関連>
・日本居住でも開設が可能
・アメリカの銀行口座が必要
・口座開設料は無料
・インターネット上で手続き完了(ホームページはすべて英語)
<取引関連>
・取引手数料無料
・携帯アプリあり(インターフェースが見やすく使いやすい)
手続きの中では、やはり米国の銀行口座の開設が最もハードルが高いと思います。
現在、私が把握している限りでは、ユニオンバンク(三菱UFJフィナンシャルグループ)で、日本に居住しながらも米国の現地口座の開設が可能となっています。
ただし、2021 年 9 月 21 日の三菱UFJフィナンシャルグループのプレスリーリースでユニオンバンクを米国のUSバンコープに売却(一部の法人部門の機能を除く)することが発表されています。
2022 年 1-6 月中に株式譲渡の手続等が完了となるそうです。
その後は、日本からの口座開設の可否や、開設済み口座のアフターサビスの内容(日本語対応等)なども変更になる可能性もあると思いますので、注意が必要です。
米国の証券口座で資産運用するメリット・デメリット
前置きが長くなりましたが、米国の証券口座で資産運用するメリット・デメリットについて、Firstradeを利用して感じた個人的な見解を下記に記載します。
<メリット>
・全米の銘柄を幅広く購入できる
・各銘柄に関連するニュースが豊富(ただし英語)
例えば、日本の証券会社では購入ができない、キャシー・ウッド氏率いいるARK社の「ARAK」(*)などの銘柄が購入できたりします。
*破壊的イノベーションの恩恵を受けることが可能な企業を対象としたアクティブ運用型ファンド
<デメリット>
・ホームページがすべて英語
・日本での確定申告が必要
・証券口座の閉鎖があった場合の手続きが面倒そう
・相続の時に大変そう(自分が亡くなった時)
1点については、前提事項に近いですが、英語にアレルギーがある方は厳しいと思います。米国ではないですが、IG証券(英国)など、日本語対応している海外証券口座もあるようです。
2点目の確定申告は結構面倒です。
譲渡益や配当金額等の取引記録はCSVファイルでダウンロード可能ですが、それを取引日時点の日本円に換算したりする等、結構面倒です。
2021年は、取引銘柄数と回数が結構多かったので、エクセルのピボットテーブル等を用いて数値算出の作業を行いました。
また3、4点目は、潜在的な事項と思いますが、発生すると厄介と思います。(場合によっては専門家の力を借りる必要があると思慮)
まとめ
<問い>
「米国株投資に米国の証券口座は必要か」
<回答>
「基本的に不要。日本国内の証券会社でも十分。
ただし、米国株投資が好きで(趣味に近い)、英語環境のみでも問題なく、確定申告等の面倒な手続きも苦にしない方であれば良いと思う」
私自身は、上記のように考えます。
私は、米国株投資が好きで、英語環境のみでも問題なく、確定申告等の面倒な手続きも苦にならない人なのだと思います。
とは言え、証券口座の閉鎖等のリスクも0ではないため、サテライト的に利用しています。(短期売買、メイン口座とは違った運用商品の保有)
今後もしばらく保有すると思いますが、自身の状況が変化した際は、保有要否は柔軟に検討していきたいと思います。
本稿が、米国の証券口座の開設を検討されている方の参考になれば幸いです。
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